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チヨダ式精米機(チヨダ式醸造用精米機)

最近の精米機の性能等について(日本語)

はじめに

一般には、醸造用に精米しはじめたのは、元禄時代に現在の伊丹市の鴻池家にさかのぼる。
精米方法は、古くは(臼(うす))に入っている米を足の力で搗く原始的な方式であった。しかし、動力源を人力にたよる限り大量の精米を行うことは不可能であり、水車の動力を利用する精米方法、すなわち水車精米が出現した。
水車精米は、江戸時代中期から出現し、明治の中頃最盛期に至り、明治初期には蒸気機関あるいは電力による精米が並行して大正の末まで存続した。
人力精米時間は、玄米(15kg)を入れ、精米歩合85%で約40時間を要した。
山間部にある水車精米所への輸送や管理の不便さを解消するため、水車を新しい動力に変える試みがなされ、明治中頃酒造場の近辺に精米所を設け水車精米と同一の投(とう)搗(び)きであるが、精米能力としては玄米(15kg)精米歩合85%のものを15時間程度で搗いていたという。
その後、大正10年頃外国製の精米機が輸入され、その輸入機をモデルとして大正末期に兵庫県灘の機械メーカーが国産化するに至った。
その後、国内では昭和12年には機械メーカーが8社を数えるに至る繁栄をした。
当時の竪型精米機の能力は、金剛ロール径は13インチ、玄米張込量5俵(300kg)で、精米歩合65%で約15時間半程度で搗いていたという資料がある。
その後は金剛ロールの径の増大13"、16"、18"、20"と変化した。
2段、4段変速の可能な機械であったが、昭和56年に25インチ無段変速の機械が開発され、その後昭和58年にコンピュータ付自動精米機の販売が開始され、現代に至った。

醸造用精米機の研削砥石

人類最古の加工技術は、単に石と石をぶっつけ、都合のいい形にしたいわゆる打製石器であった。
その後磨かれた"磨製石器"へと進歩した。前者を旧石器時代、後者を新石器時代と区分している。

より硬い鉱石で道具である石をすりへらすだけでなく筋砥石や棒状の砥石で成形したり、砥粒による"研磨加工"技術であった。そしてどんな岩石が砥石や砥磨剤として、もっとも適しているか、又道具や玉といった装飾品にいいか、大変な試行、努力を伴ったと思われる。砥石やざくろ石、金剛砂といった砥磨材は、青銅器時代、鉄器時代に入ると重要性を増し、王朝貴族の象徴である研磨された多くの装飾品を作るためや、武力としての刃剣の研磨は最重要の加工技術であった。

人工砥粒の発明は、明治34年(1891年)アメリカに於てアチソン博士が、人造ダイヤモンドを作ろうとして長い間実験を続けていた。
その過程で、はからずも大きな結晶を得た。これがカーボンとコランダムの結合したものであろうと推定し、カーボランダムと名付けた。
化学分析の結果、炭化ケイ素(SiC)であることが分ったと伝えられている。炭化ケイ素(SiC)の製法は、ケイ砂とコークスとの混合物を電気抵抗炉でアーク熱2000℃以上で加熱する方法に改良され、カーボランダム社により工業化された。
溶融アルミナ(Al2O3)も人造ルビーを作る目的の実験中に発見され、砥粒への目的として明治40年(1897年)、ボーキサイト(アルミニウム原鉱石)を使用し成功した。これが現在のA砥粒である。
SiC(C,GC)、Al203(A)の両砥粒は、現在で一般砥粒の両壁となっているが、いずれも工業的に製造が開始きれたのは、20世紀初めで、ナイテガラの滝に築かれた大発電所の安価な電力を利用するに及ぶアメリカの人造砥粒は、工業技術の発達と共に世界を制覇した。

我が国では、明治41年、現在広島市南区南蟹屋(みなみかにや)1丁目で日本で最初の人工砥粒を使用したアメリカのノートン社と日本企業の合併により砥石製造会社が設立された。
当時呉市に「戦艦大和」を建造した呉海軍工廠(こうしょう)への納入とアメリカからの原料運送及び当時高カロリー燃料は九州三池炭鉱のものと限定されていた石炭の輸送の為の港湾のあるこの地が選ばれた。
我が国では、砥粒の国産化はならず、ノートン社の現地生産工場として設立されたものであった。
昭和7年(1932年)昭和電工塩尻工場にて、褐色溶融アルミナA砥粒、昭和9年に炭化ケイ素C砥粒が開発された。
現在我が国の砥石メーカーは日本最大手クレノートン社を除き、砥粒は砥粒製造メーカー(昭和電工、日本研磨材、太平洋金属、他1~2社)より砥粒を購入し、砥石製造に至っている。
現在我が国では、「セラミックス」という言葉がさも高級品、良質な製品として一人歩きしているが、元来日本では、セラミックス工業のことを、明治時代から「窯業」とよび、陶磁器、耐火物、硝子、衛陶、赤れんが、タイル、かわらもセラミックスである。
すなわち、焼成工程がある物はセラミックスであり、砥石もセラミックスの一員である。セラミックスの定義としては、地球上に自然に存在する鉱物を焼成した物がオールドセラミックスであり、自然に存在せず、精製又は化学変化により発生した鉱物を焼成 したものをニューセラミックスと言う。
砥石は、ニューセラミックスの一員であり、ニューセラミックス材料としてカーボランダム(SiC)の微粉も代表的なニューセラミックス材料となっている。

大正末期から昭和10年頃までの醸造用精米機のロールは、輸入砥粒によって製造され、高額な商品であったと思われる。又、砥粒は褐色溶融アルミナ(A)が主流であり、当社に当時の製品が保管されている。
昭和12年当時でも金剛ロールの代用として硝子(磁器)が使川されている機械もあった。

研削用砥石の3要素

研削砥石は、砥粒、結合剤、気孔の3要素により構成されている。
砥粒は、工作物(米、麦、他)を削る刃先であり、結合剤は刃先の支持台、気孔は切りくず(糠)を取り除くための必要なすきまである。

    研削砥石の最大の特徴は次の通りである。

  1. 使用中に刃先の減った砥粒は、消耗、脱落し、 絶えず新しい刃が出てくる。
  2. 刃先が極めて多く、研削速度が高いので、切 り込みが小さい割には能率が上がる。


研削砥石の3要素
研削砥石の3要素

研削砥石の構成

(1)砥粒の種類

砥粒は、工作物より硬く、そして高い耐摩耗性が必要である。
精米、精麦用砥石に使用される砥粒は、アルミナ質と炭化ケイ素質に区分される。

砥粒の種類と記号(JISR6111人造研削材)砥粒の種類と記号(JISR6111人造研削材)

(電子顕微鏡写真)

(A)
電子顕微鏡写真A
(C)
電子顕微鏡写真C

(WA)
電子顕微鏡写真WA
(GC)
電子顕微鏡写真GC

(2)粒度

砥粒の大きさを粒度という。その種類を表に示す。

粒度の種類

粒度は、砥粒の大きさを示すものであって、砥粒を振り分けるため使用するふるい 番号で表わされる。
例えば、ふるい分級により決定される#60の砥粒とは、長さ1インチ(25.4mm)につき、60個の目のあるふるいを通過して、長さ1インチにつき70個の目のあるふるい(#70ふるい)は通過しない砥粒をいう。
下限は#54のふるいを通過しない砥粒を#60と言う。
当社では、JISよりも厳しく社内のふるい機により再選別し使用している。

(3)結合剤(ボンド)

一般によく用いられるのは、ビトリファイド結合剤とレジノイド結合剤である。
レジノイド砥石は、樹脂粉末と砥粒とを混合し、低温(約180℃)でプレスして成形される。
高速生研削、切断、自由研削砥石としてかなり使用されている。
精米機用砥石としては、V:ビトリファイドボンドが使用される。
ボンドの内容としては、長石、陶石、けい石、粘土及び溶媒材が主流である。
溶媒剤及び粘土を入れる事により焼成温度を下げる目的に使用される。焼成温度1250℃と低い温度で焼成できる。
例で言えば、そば粉に小麦粉を入れ、そばのつなぎにするようなもので、焼成単位を下げる目的に使用される。
当社のボンドは、溶媒剤、粘土を使用せず、本来のビトリファイドボンドにて高温焼成1300℃以上、2週間(15日)で焼成する。それにより砥粒の保持力が増大する。
焼成炉は、ガス及び油の焼成炉が主流である。その理由は、バーナーのエアー圧を使い、炉内温度をエアーの対流及び撹絆する事により炉温を一定にする事ができる。
電気炉の場合、炉内の対流がなく、上下温度差があるため、安定した炉内温度が得られにくく、中性、還元成性のコントロールもむつかしい。

(4)砥石の粒度及び硬度

砥石を選ぶには、その砥石がどの程度の粒の大きさの研削材を用いて造ったものかを確かめなければならない。
普通はこめ粒の大きざを前に述べたように粒度と呼ぶ#60などとして砥石に記入してある。
度番号と実際の粒の平均の大きさの関係で表わした。
荒研削には、荒い粒のもの、仕上研削には細かい粒の砥石を使う。

粒度番号と粒の大きさ

一般に醸造用は46#~80#が多く、精麦用は24#~36#が多い。
硬度に関しては、結合剤の多いものは、粒子が硬く結合するから硬い。反対に結合剤の少ないものは、粒子が離れやすいから軟らかい。
下記表A,B……Z、アルファベット順に硬さを表わしている。

砥石の硬度を示す記号
砥石の硬度を示す記号

一般に醸造用はR,S,精麦用は0が多い。

(5)組織

組織というのは、砥石内部の砥粒の密度のことである。
粒度が同じであれば、一定容積の中に粒度の多いほど組織が密であるといい、また反対に少なければ粗であるという。
砥粒と砥粒の間隔が小さいものを密、大きいのは粗であるというJIS規格では、密なものから順に数字0~14の15種に分けている。

砥粒率と組織(JISR6210)
砥粒率と組織(JISR6210)

一般に醸造用は、5~8が多い。

チョダ式精米機に於ける精白室の考え方

精白室を設計するにあたり透明な精白室のケースを作り実精米をして米の停滞個所を 見つけ、又、抵抗片の間隔の決定をした。理論的には、摩擦係数と静止角の法則により 種々検討し実践と理論の両者により現在の姿になった。

1.摩擦係数と静止角の法則

注:傾斜角が摩擦係数に等しいとき、物体はこの傾斜面Lを滑り出さんとする。
角λを摩擦又は静止角という。

摩擦係数と静止角の法則

2.原形精米を基準とした精米

以上の様な法則により米と金属の場合は摩擦係数が小さいので、弊社では滑り角度を17°以下を理想として採用している。弊社の精白室は無理、無駄がない構造となっているので米の排出を円滑に行い又原形精米を基準とした精米を行う。

3.各社の概略図

各社の概略図

〈チヨダ式〉
摩擦角と静止角のバランスが取れているため、原形精米に仕上がる。

〈Aタイプ〉
摩擦係数の面から見ると自重分が落下し精白室下部になる程圧力が高くなり、米の長手方向を削り勝手になり白米は丸型に仕上がる。

〈Bタイプ〉
中間部迄ある程度は理想的な形状を保っているが最下部外径を大きくしているため、塞ぎ止められた箇所に高圧力が発生しAタイプ同様に長手方向を削り勝手になり白米は丸型に仕上がる。

右図より3式の相互算圧力の形状を比較すると、主研削箇所及びロールに対する研削効率が一目で判定できる。
(但し、この比較は単にロール形状のみの比較であり精白室形状にて相当の相違が発生するものと考えられる。)

3式の相互算圧力の形状

酒造用精米機に使用する金剛ロールの形状

酒造用精米機に使用する金剛ロールの形状

最近の精米機

(菊)HS-20型CNC

コンピュータ付精米機は、従来より目標の精米歩合を設定するとその目標歩合になるまで自動的に精米を行なう自動精米装置は実用化されているが従来の自動精米機は精米歩合に応じて制御値(流量・負荷値、回転数)を入力し精米中の精米歩合を検出して精 米パターン通りに制御値を変化させていくようにしている。
従来機のように精米パターンを設定するためには、精米についての知識と経験が要求されるため、最近では熟練した精米作業者が少なくなってきている。又、キーボード入力により精米パターンを設定していくためキー操作が複雑であった。

(菊)HS-20型CNC 操作手順

操作手順としては、歩合表示Aがあってそこに現在の精米歩合が表示される。 歩合設定としては、歩合ダイヤルBに設けられている。ダイヤルBは4桁の数宇を設定することが出来る。
その希望する精米歩合を設定することができる精米パターン設定Cにより「強」「中」「弱」の3つのパターンが選べるようになっている。
精米パターンは、制御装置内のメモリに予め設定されている。
例えば精米パターン「強」であると回転数、負荷値、流量ともに比較的大きな値に設定されて、目標とする精米歩合70%程度の時に適する。
精米パターン「中」に於ては、目標とする精米歩合が60%程度を目標としている。
精米パターン「弱」の精米パターンでは目標とする精米歩合35%程度を対象に設定している。
回転数、負荷値、流量ともに比較的小さな値に設定している。

微調整手段Dを設けている。この微調整は、回転式のもので100%から70%で5%毎に段階的に設定することが出来る。100%に設定した時は、予め設定されている精米パターン通りの値で精米機は駆動され、95%に設定した時は、回転数及び電流値が95%に 減少され、90%に設定した時は、上記値の90%に減少されると言った具合である。

微調整を設けたのは、以下の理由に依る。精米パターンAにより一旦精米パターンを設定したとしても精米パターンの設定を変更したい場合がある。と言うのは、米の性質、形状等は産地や収穫年度により微妙に異なるもので予め設定した精米パターンが最適値でない場合があり、その為精米途中で予期していなかった米割れや変形が生じ、砕米が多く発生してしまうこともあり得る。
このような場合、精米のパターンを変更する必要があるが、従来の精米装置においてはパターンを変更する為には、精米についての経験や知識、キー操作をマスターしなければならなかった。精米パターンにより設定した値を微調整(D)により、運転中でも簡単に微調整できるようにした。運転手段としては、精米パターンを「強」「中」「弱」の中からいずれかを選択し微調整を加えて運転ボタンを入れるだけで熟練者でなくても自動精米機を簡単に操作することが出来る。

(桜)HS25-CNCⅢ

従来機は、1~30までの精米パターンを記憶させて使用していたが、今回の機種は米の特性を生かした分類にし各々の精米パターンを記憶させている。米の銘柄又は、番号にて瞬時パターンが呼び出すことができ、パターンは大きく分けて下記の6通りが基本です。

(桜)HS25-CNCⅢ

尚分類された品種の地域別及び年度別の出来具合の性質に対応する為、微調整スイッチを設けている。又米の性質と合わせて水分含量に対応し水分補正スイッチも取り付けてあり、この様に微調整と水分補正スイッチを合わせると1つのパターンにて27通りに変化させる事ができる。(此の様にして全てを考慮すれば486通りに変化可能)パターンを銘柄より呼び出す時には、品種スイッチを選択すれば画面に"あいうえお"順に表示され、品種番号からもパターンの選択が出来るので煩わしい操作がない。
以上をまとめると、今回の機種は精米すべき玄米の性質情報を入力する入力手段と、前期入力された玄米の性質情報に応じて精米パターンを設定する、精米パターン設定手段とを設けたことを特徴とする自動精米装置である。
自動にスイッチを選択すれば、従来機と同じ様にパターン打ち込みにて使用できる。

(桜)HS-26Wヘツド型

実公昭33-3067
実公昭33-3067

従来の縦型精米機は、普通1個の精白室を持ち、精米完了まで1ケの精白室で精米するものであった。
精米歩合70%以下の精米には、精米によって減少する米粒の大きさに対した精白機能を持つ2~3台の精米機を設置して順に精米を行なっていた。特殊なものとして、例えば実公昭33-3067号の如く直立した1本の軸に大小2個の精白室を、大を上、小を下に重ねる直列に設けて、上部精白室は、精白 能力が大きく、上部精白室は、精米能力が大きく下部精白室は精白能力が小さくしかも糠と混合した状態で精白されることにより過精白を防止して歩留りを高める事を目的とするものや実公昭31-11366号の如く1個の精白室に3個の精白ロールを直立し た、1本の軸に積み重なった状態に設け、精白能力の向上を図る事を目的とするものが知られていた。
精米機の精白室は、内部に研削砥石が回転しており、精白室を流下する米粒が精白室の内壁と砥石の外周との隙間を通る時、砥石の外周に接触して研削されるものであり、従って米粒の大きさと隙間の大きさの割合により、精白能力が大きく変化するものであった。
酒造米にあっては、近年高品質化の傾向から精米歩合50%を越え30%程度にまで精米歩合を高めることが要求されるようになった。こうした高い精米歩合まで1つの精白室で精米しようとすると精米歩合が高まるにつれて米粒が小さくなり精白室内壁と砥石の外周との隙間を通る時、研削砥石の外周に触れることなく素通りする率が高くなり研削能率が低下し、精米時間が著しく長くなるという問題があった。
1台の精米機に2~3個の精米室を備え1台分の精白室以外の構成要素を各精白室に兼用する構造とした事により、従来の2~3台の精米機を連設したのと同様の高い精米歩合を安価な設備で迅速に果たす事が出来、しかも設備がコンパクトになって設置場所の専有も少なくなるものである。
又、砥石に関しては、左右に2つの精白室を有するため、粒度、硬度、組織の変化する砥石を選択することができ、能率良い精米が可能である。

精米データ(HS-26W)

原料は平成10年度産兵庫県産山田錦の特等(15俵)、1等(15俵)、合計(30俵)1,800kgにて精米歩合45%で精米した資料である。

精米データ(HS-26W)

形状分布図

形状分布図

見掛精米歩合、真精米歩合、無効精米歩

見掛精米歩合、真精米歩合、無効精米歩

近年の精米処理システム

大型精米工場等では、中央管理室を備えて、複数台の精米機を操作するシステムが開発されている。
内容としては、玄米の受入、白米の払い出し、精米機の運転スケジュール及び運転予約の作成、運転予約の回数としては、10回をこえる予約が可能となっている。
無人運転中の精米機及びラインに異常発生があれば電話回線を通じて担当者に異常個所を通報することもでき、三菱電機システムサービス㈱にてNTT回線を通じて異常個所及びソフトの変更まで可能としている。
当社の省力化、省人化に対応したCNC(コンピュータ付数値制御)応用の精米機を管理する、無人運転搗精システムです。
CMA(コンピュータ活用生産システム)の概念を取り入れ、精米機の24時間フル稼働を安全にサポートしている。
当社の制御製品は、三菱電機の100%出資会社三菱電機システムサービス株式会社と共同開発により製産されている。
又、サービスについては、三菱電機システムサービス全国16ケ所の支店によりサービスの展開が可能としている。

[電話回線での警報連絡と遠隔監視システム図]

電話回線での警報連絡と遠隔監視システム図

精米処理システム構成図

あとがき

精米機における最も基本的で重要な価値は、機械の高剛性、安全性、操作性、砥石の研削性、電気機器の信頼性のトータルバランスにより完成されるものである。
機械部品に関して1例をあげると研削砥石を支える主軸には、クロームモリブデン鋼を使用し通常用鋼材の約1,8倍もの強度を誇る。
工作工程に関しては、11工程もの多工程に及び最終工程では、駆動プーリ、ベアリング圧入部、研削砥石組付部は、高級工作機械とされる研削盤によりミクロの精度で仕上、工業用硬質クロームメッキ仕上げとしている。
ベアリングの選定も駆動モーターの使用ベアリングに対して、3倍もの強度を持つベァリングを選定し、ベアリング寿命に関しては長期使用を考えた設計をしている。
研削砥石に関しては、我が国の最古、最高品質を誇る昭和電工製を使用し、溶媒剤、粘土を使用しない純度の高いビトリファイドボンドを使用し、1300℃以上の高温で長期焼成により保持力のある切の良い砥石を使用し、操作性に関しては、CNC開発当初より、電卓を操作するごとく簡単に操作できるように開発した。
電気機器に関しては、三菱電機製を使用し、ソフト開発、サービス面にては三菱システムサービスと共同して開発、サービスを実施している。
以上により機械全体のトータルバランスのとれた高性能精米機を完成させる。

参与文献

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  2. 勝目  英   醸造機械学 日本醸造協会 昭和12年
  3. 飛永 甚治 力学及び材料力学 産業図書㈱ 昭和32年
  4. 山口 悟郎   鉱物と窯業の化学 大日本図書㈱ 昭和34年
  5. 福田 力也   研削作業法 理工社 昭和39年 平成3年
  6. 素木 洋一   工業用陶磁器 技報堂 昭和44年
  7. 蔭山 公雄   灘の酒用語集 灘酒研究会 昭和54年
  8. 大西政太郎   陶芸と土と窯焼き 理工学社 昭和58年
  9. 精密工業会   研削工学 ㈱オーム社 昭和62年
  10. 丸山 弘志   工具の選び方、使い方 日本規格協会 平成1年
  11. 素木 洋一   陶芸のための科学 建設綜合資料社 平成3年
  12. 前田  清   日本の水車と文化 玉川大学出版部 平成4年
  13. 広島市教育委員会  広島の研削砥石工業の歴史と技術広島市郷土資料館 平成6年
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  15. 世古晴美、池上勝   酒米品種における心白発現の品種間差異
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  16. 横川和彦、横川宗彦  研削加工のすすめ方 工業調査会 平成7年
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  18. 金井  実   研削礁活用マニユアル ㈱大河出版 平成10年
  19. 研削機工業会  日本の研削機工業50年の歩み 平成10年
  20. 横川和彦、横川宗彦  CBNホイール研削加工技術 工業調査会 平成10年
  21. 昭和電工㈱  昭和電工セラミックス事業部製品の紹介 昭和電工 平成11年

資料提供

  1. 昭和電工株式会社、株式会社TKX(吉岡嗣郎氏)